※フラウ視点。※同級生篇、僕らの夏休みの続きです。
※大人シーン有り!苦手な方は回避して下さい。回避ボタンは無いですよ〜!




 体を捩ってオレの舌から逃げようとするテイトを無理やり押さえつけて動きを封じた。テイトと二人きりの夏休み。今日は一緒にプールに行こうと約束していた。それが……、どうしてこうなった?
「フラウ、やめ、ろ」
 涙目のテイトにニヤリと笑みを返す。薄笑いのオレの顔が怖かったのか、それとも気持ち悪かったのか? 顔を背けると同時に小さく鳴いた。別に取って食おうとしているわけじゃない。いつものように、ただちょっと、ほんの少し……テイトへの愛が暴走してるだけ。
 二人きりという開放感からかもしれない。理性という名のブレーキがまったく利かない。困ったことだが自分で自制できないのだから仕方無い。
 テイトの恨めしそうに睨みつける瞳は「何故?」と問い掛けている。どうしてこうなったかって? それはオマエが……
 オレは額に滲む汗を拭った。


真夏日


 テイトと簡単な朝食を済ませたオレは腹ごなしに居間のソファでTVなんぞをなんとなしに見ている。テイトはオレの部屋でゴソゴソと荷物の整理をしているらしい。食後ぐらいオレの隣でゆっくり寛げばいいものを。テイトの代わりにクッションに寄りかかってTVのリモコンを操作する。夏休みとはいえ平日の午前中、ぽちぽちとチャンネルを変えてみるも、どの放送局も似た様な内容だ。今年の夏は例年より猛暑だとか、熱射病にならない為の注意点とか。今日はテイトとプールの予定だから暑いのは大歓迎! TVから流れてくる特集を眺めながら頭の中で水着姿のテイトを想像する。
「なぁ、フラウ、変か?」
 そう言いながら海パン姿のテイトが居間に入ってきた。突然のサービスショットに一瞬自分の妄想が実体化したのかと錯覚し、現実だと理解すると今度は天を仰いだ。ちょっ、おまっ、その格好は不意打ち過ぎるだろ! 動揺したオレは手にしたTVのリモコンを取り落としそうになった。
「変っていうか……オマエ、それ、スクール水着か?」
 しかも、妙に小さめの海パンはまさかと思うが……
「中学のじゃないだろうな!?」
 決して馬鹿にしている訳では無い。突き放した言い方で必死に冷静さを保とうとしているのだ。何故かって? 昨日からテイトに無理させまくって「これ以上したら出て行く!」と朝から宣告されたのだ。二人きりの甘い夏休みを過ごすなら多少の我慢は必要だと胆に命じて健気にも実行中。じゃなきゃ入ってきた瞬間に押し倒しているところだ! 
「だって、コレしか持ってねぇし」
 おそらくバカにされたと思ったのだろう勘違いしたテイトが唇を尖らせた。その唇に吸い付きたい衝動を必死に堪える。心の中で頼むからこれ以上オレを刺激しないでくれと懇願するがテイトにはまったく伝わらない、引き攣ったオレの顔を見て頬を膨らました。
「なんだよ、やっぱ変か?」
「変とかの問題じゃ……それ、小さくねぇか?」
 視線をテイトからTVに戻し、気を紛らわそうとリモコンを弄ってみる。情報番組はどこも同じ内容でいい加減見飽きてきた。そう、オレが見たいのはTV画面ではなく……。チラリとテイトを盗み見する。
「いいだろ、別に……海パンって小さいもんじゃん!」
 恥ずかしくなったのか、テイトはそう言って俯くと海パンの裾を引っ張った。おそらくテイトを凝視していたのだろう「あんま見んな」そう呟くテイトの言葉にオレのか細い理性の糸はあっけなく契れた。ここまで我慢してきたがそれも限界、テイトの手首を掴むとソファーに押し倒した。
「わぁ! なんだよいきなり! フラウ! 約束したじゃんか! 今日はしないって! フラウのバカ! アホ! エロジジイ!」
 テイトの罵声を聞き流し、オレは内太腿に吸い付いた。海パンからすらりと伸びた足が堪らなくそそる。
「こんな格好して、煽ったのはオマエだ」
 海パンの上からそっと中心に唇を這わせるとテイトが小さく悲鳴を挙げた。股間に埋めたオレの顔を剥がそうとテイトが手を伸ばした。その手首を捕らえて片手で封じ、もう片方の手でジタバタと抵抗する左足を、右足は体で押さえ込む。テイトの自由を難なく奪うと再び太腿の内側に口付けた。
「も、なんで、いつもこうなんだよ!?」
「抵抗してるわりには……此処は嫌がってないみたいだ」
 テイトの中心を海パン越しに撫上げる。硬さと質量を増したそれが海パンの表面にくっきりと浮き彫りになって主張している。
「煩い。フラウが触るからだろっ! もう、触んな! プール行くんじゃなかったのかよ!」
 テイトが頬を赤らめて反論するが、そんな表情をしてオレが止めるとでも思っているのだろうか? 逆に煽っているといい加減気付いても良さそうだが。まさか、海パン姿をオレに見せびらかしたのは
「もしかして誘ってるとか?」
「そんなわけあるか! 何考えてんだよ、もう! いい加減やめろって!」
 どうやら、本気で違うらしい。そしてテイトの本気の抵抗に作業を止めて顔を上げる。朝の宣告が頭を過ぎった。もしかしたら本当に出て行ってしまうかもしれない。だからといってこの状況を止められるはずもなく
「なぁ、出て行く宣言は撤回して」
 テイトの答えは唇で塞ぐ。撤回する以外の答えは受け付けない。
「撤回しろテイト」
 薄く開いたテイトの唇に舌を捩じ込んで口中をかき回し、舌を捕らえて軽く吸い上げる。テイトはキスに弱い。案の定、抵抗して押し戻そうとしていたテイトの腕から力が抜けた。その肩をぎゅうっと抱きしめて耳元でもう一度
「撤回して」
 最後のオレの一押しにテイトは小さく頷くとしがみ付くように腕を回してきた。よっしゃー!!! 心の中でガッツポーズをしたのは言うまでもない。テイトの見えないところでニヤリとほくそ笑む。
「なぁ、フラウ、すんならベッドに……」
 テイトは居間ですることに抵抗があるらしい。だからといって自室のベッドは遠い。居間のカーテン(レース)は閉まってるし、全開だったとしても高層マンションの上階のこの部屋が覗かれるという心配はない。しかも、ソファーは大きめだしスプリングも上々。オレはテイトの言葉を無視して、脱いだシャツをテイトの体の下に敷き込んだ。
「フラウ!」
 涙目のテイトの額に自分の額をコツンと当てる。
「ダメ、無理。部屋まで持たない」
 張り詰めた自分のモノを掴み出すとテイトの手に触らせる。慌てて引っ込めようとする手を掴み無理やり握らせると目で「無理だろ?」と訴える。オレの表情がテイトにどう写ったのか解らないが「ぷっ」噴出すと「仕方ねぇな〜」と呟いた。それを了解と取るとテイトに覆いかぶさった。
 付けっぱなしのTVは何時の間にか天気予報になっていて気象予報士が「本日も今年一番の真夏日となるでしょう」と声高らかに言い放った。そっか、真夏日じゃ絶好のプール日和だな。頭の片隅でボンヤリと考えると、テイトも同じ事を思ったのか、オレの視線を捕らえるとさっさと終わらせろと訴えていた。
 そう、これが終わったらプールに出かけよう。オレの中心を押し当てるとテイトも受け入れるべく体制を整えた。


「信じらんねーよ! 何考えてんだよっフラウのバカ! これじゃプール行けねーじゃん!」
 テイトが太腿の付け根にできた内出血痕を指差して喚いた。サクラの花びらが舞っている様でオレとしてはそこそこの芸術的仕上がりだと自負したいところだが、テイトはお気に召さなかったらしい。
「気にするな、誰もキスマークだなんて思わないから」
 高校生の内腿にキスマークがあるなんて大抵の人間は思わないだろう。ましてや男子高校生だ、湿疹か虫刺されぐらいにしか思わない、そう言って宥めるもテイトは頑なだ。
「中には勘繰る人だっているだろ! やだよ、オレ、そんなのにジロジロみられんの!」
「ま、確かにその可能性もあるな」
 変な気を起こす輩への誇示のつもりで付けたのだから、それも気にすることではない。
「オレ、プール行くの止める。これ、明日には消えるかな」
 そんなに強くは付けてないが、たぶん、最低でも2日は残るだろう。項垂れたテイトが可哀想になり、仕方なく打開策を打ち出した。
「水着、買いに行くか?」
 オレの言葉にテイトの顔が一瞬明るくなったが、直に俯いた。
「オレ、金無いもん」
 不貞腐れて呟く姿はまるで小学生だ。笑いを堪えて必死に神妙な顔を作る。
「買ってやるよ。オレが悪いんだし」
「いや、いい。その代わりお金貸して。返すから」
 テイトはオレのサーフパンツを指差して「オレもこんなのがいい!」と漸く小さな笑みを見せた。

 身支度を済ませ、マンションから一歩外へ出ると予想以上に暑かった。アスファルトから立ち昇る熱気と真上から注がれる太陽の日差し、まさに真夏日とはこの事か。とりあえず駅を目指して歩き出したが、あまりの暑さに気楽に買い物にしようと言った事を後悔した。
「なぁ、この陽気に外歩くのって自殺行為じゃね?」
 テイトがそう言って溜息を吐いた。
「だな」
 オレもポツリと返事すると同じ様に溜息を吐いた。会話だけで体力が奪われそうだ。なんなら出かけるのは夕方からにして、その辺のコンビニでアイスを買って出直すか? そう、テイトに提案したが答えは「買い物に行く!」だった。此処よりは涼しいだろう室内とアイスを諦め、暑い地面を気合を入れて踏みしめる。
 商店街が近付くと、どこからともなくテレビかラジオの音が漏れ聞こえた。昼のニュースだろうか、女性アナウンサーの甲高い声が辺りに響く。

 今日はこの夏一番の……

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※次はデート編www≧(´▽`)≦アハハハ