※フラウ視点。追想の続きです。

続きは風邪が治ったら……

 病み上がりのテイトの身体を甲斐甲斐しく洗っていると「ホントに洗うだけなんだ」と拗ねた様子でテイトが呟いた。手を出せば出したで怒るし出さなきゃ出さないで拗ねるのか、オマエは……
「あたりまえだ! 今にも倒れそうな病人を揺さぶれるか!」
「前は寝てるオレに無理やり突っ込んだくせに」
 拗ねた口調だが胃にモノが入って無いせいか、力の入らないテイトは大人しくオレに身体を洗われている。
「無理やりじゃねぇだろ?」
 前回、テイトが風邪をひいた時、確かにオイタをしましたが、その事は自分なりに充分に反省してるのですよ。だから、今のオレはこんなにも献身的にテイトにご奉仕中だ。
「つまんねぇの……」
「いってろ」
 そう言ってオレはテイトの頭に容赦なく熱めのシャワーをかけた。
「わっ!もう、フラウ、熱いって!」
「風呂あがったらメシ作ってやるから」
 途端にテイトの顔が綻んだ。背負ってるモノが大き過ぎるのと過酷な環境に置かれていたせいか大人っぽいところもあるが、拗ねたり怒ったり、くるくると表情を変えるテイトを見ているとまだまだ子供だと思う。子供っぽいと馬鹿にしているわけじゃない。オレの前では片意地張らず、ありのままのテイトで居て欲しい。
「オムライス食べたい!ふわっとろの卵の乗っかったやつ!」
「病人の胃にそんな重いもの入れられるか!? 胃が弱ってんだから、おかゆだ! おかゆ!」
「おかゆ! おかゆも好きだ!」
 湯船から出ると今度は丹念に身体の水滴をタオルで拭ってやる。
「食ってぐっすり眠れば明日には元気になんだろ?」
「う…ん…」
「どした?」
 俯いたテイトの顔を覗き込む。
「別に……」
「何だ? どうした急に? 腹空き過ぎて死にそうなのか?」
「そうじゃないよ!」
 テイトは顔を上げたがすぐにそっぽを向いてしまった。
「どうした?」
 タオルごとテイトを抱きしめるとオレの肩にちょこんと額を載せた。
 テイトの考えていることはなんとなくだが解る気がする。己の使命を全うしようとする自分と運命から逃げ出して自由になりたい自分が鬩ぎ合っているのだろう。元気になれば旅の続きが始まる。元気にならなければもう少しこのまま……。そんな感情が表に出るのも体が弱ってるからで、普段のテイトならそんなことはおくびにも出さない。
「フラウ……」
「ん?」
「腹減った……わっ!」
 オレはタオルごとテイトを担ぐと浴室を出た。オレにだけ甘えろ!そしたらもっとオマエを甘やかしてやる。
「飯にするから、さっさと服を着ろ」
 そう言って肩に担いだテイトをベッドに降ろすとニヤリと笑った。
「なぁ、フラウ」
「なんだ?」
「オレのこと好きか?」
 テイトの瞳がオレの視線を逃すまいと見つめる。いつもの挑戦的な眼光と違いどこか不安を覗かせて。
「…………ああ」
 オレはそっぽを向いて答えた。目線を合わせてたら確実に押し倒しているところだ。いいかげん不用意に煽るのは勘弁して欲しい。
「何?その間!っつうか『好き』って返せよ!」
「そのうちな。先ずは飯を食え!」
「なんだよ、もう、ちゃんと『好き』って言えよぉ」
 ブツブツと呟いているテイトを尻目にオレはテイトの為のおかゆ作りにキッチンへと向かった。
 ……そうだな……ベッドの中でなら言ってやる……
 そう、心の中で呟いて


続きあります(テイト視点)→メインディッシュを召し上がれ
Hまで到達できずorz 理由は作中でフラウが申してますように「病人を揺さぶれない」www この台詞を言わせたくて書いたと言っても過言ではございませんwww で、我慢して溜まりに溜まったフラウは次回のHで爆発するのでしょうね。逆にテイトの体が心配です。こまめに発散させておかないと大変!と、無責任にも書いた本人(管理人)はあくまでも他人事ですwwwww はっ!その後の激しいHを書かなくてはならない転回?(汗)

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