※ボンボニエールおまけ。フラウ視点。
※大人シーンございます。ご注意を〜って程ではないです。た、たぶん……
カペラが寝静まったのを見計らってテイトをベッドから連れ出した。
「何すんだよっフラウ」
テイトはいやいやをするように手足をバタつかせているがカペラが起きないように声の音量は下げている。それってまんざらでもないって事じゃないか?
「いいから落ち着け」
そう言って強引にテイトの唇を塞ぐとようやく大人しくなった。
「なんだよ?」
挑戦的な態度で睨みつけているがオレの膝の上で抱き合う形で座っている以上その睨みに威圧感はない。むしろ可愛いというかなんというか……そのまま押し倒してどうこうしてしまいたい衝動をグッと堪えて用意していたチョコレートを差し出した。
「テイトには特別なチョコを用意したんだよ」
そういって小さな酒瓶の形をしたチョコレートを差し出した。
「何これ?」
物珍しげにチョコレートを一つ摘み上げるとしげしげと見つめた。
「ウィスキーボンボンだ。チョコの中にリキュールが入っているからカペラには食べさせられないだろ?」
「リキュールって酒だろ? オレはいいのか?」
「それぐらいは構わないだろ? 酒って言ってもほんの少しだ」
「ふーん。で、食べていいの?」
「ああ、一緒に食べよう。カペラには内緒だぞ」
「ああ」
テイトは銀紙を剥くとチョコレートを口の中に放り入れた。オレも同じように口に入れチョコレートを噛み砕く。中からリキュールが漏れ出て口の中に広がった。ちょっと強いか? ま、この程度のアルコールなら酔わないだろうと思ったのが甘かった! オレが目を瞑って味わっているその数秒のうちにテイトはチョコレートを3っつ程口の中にに放り入れていた!
「フラァウ、美味いなコレ〜」
明らかに酔いが回って呂律の回っていないテイトがしな垂れかかってきた。
「もっと食べてもいい?」
甘えた声を出して手を伸ばすテイトに慌ててチョコレートを手の届かないところへ追いやった。
アルコールに弱いテイトがこうなることを期待していなかったわけではないがまさかこんなに早く酔っ払うとは計算外だ。
「もう酔っ払ったのか?」
ただの酔っ払いと化したテイトはチョコレートが貰えないとわかると頬をプクーっと膨らました。宥めるように優しく頭を撫でてやると今度は甘えるように額を肩にこすりつけてきた。
「じゃあ、キス」
「え?」
「キスしろフラウ」
潤んだ瞳で見つめられ、うっすらと開いた唇に吸い寄せられるように唇を重ねた。甘えてくるテイトを見ることはそうない。オレは内心ガッツポーズをするとテイトの口内を舌でたっぷりと可愛がった。
「フラウ……」
テイトはオレの名を呼ぶとシャツを握り締めてモジモジしている。おそらく今のキスで反応してしまったのだろう。
「どうかしたか、テイト?」
「……しろよ……」
おねだり、とまではいかないが恥じらいながら呟く様子がテイトらしくてますます可愛い。膝に乗せていたテイトを抱き上げるとソファーに押し倒した。抵抗する様子はない、寧ろ首に腕を巻きつけて抱きついてきた。こんなに積極的なのも酔いが回っている間だけなんだよな……。この状況を楽しんでいるが次の日には綺麗さっぱり忘れているテイトを思うと淋しくもある。
アルコールで上気した肌に指を滑らせるとテイトはクスクスと笑って「くすぐったい」と呟いた。感度はまずまずといったとこか? 胸の突起を軽く弾くとテイトは艶っぽい声を上げた。普段なら「弄るな!」と声を荒げるところなのだが……。
テイトの反応を確かめながら先を進める。抗う様子は一切無く快感だけを追って『もっと』とねだるように体をくねらせる。いつもと違う反応にテイトを抱いてるのにテイトじゃないような……
だんだんと行為事態が空しくなって気持ちが萎える。
オレはほんの少しだけ素直に甘えてくるテイトが見たかっただけなのかもしれない。甘えついでに『フラウのことスキ』って言うんじゃないかと期待してたのもある……が、テイトの形をした人形には興味がない。オレが抱きたいのは……オレが好きなのはテイト自身なのだから
「フラウ?」
動きを止めたオレをテイトが不安げに見つめている。
「なんでもねーよ」
安心させるように優しく額から髪を払うとキスをした。テイトは「ん」と甘える声を上げてうっとりと、うっとり……
「なんでもねーじゃねーよっ!!!!!何、勝手に人ん中突っ込んでんだよ!このエロ司教!」
「あ・れ?」
酔い冷めてる?
素に戻ったテイトに威勢よく罵倒されたにもかかわらずオレはいつものテイトに戻った事が嬉しくてそのままギュッと抱きしめた。
「をい!コルア〜!聞いてんのか!?って、いきなりデカクすんなよ!」
テイトにつられてオレもいつもの調子を取り戻し、ついでに自身も元気を取り戻した。そんなオレに容赦なくテイトは悪態を付く。それでこそオレのテイトだ。
「なぁ、テイト」
「なんだよ」
罵声を浴びせられてもニコニコしているオレを訝しがって眉間に皺をよせている。
「好きだ」
めったに口にしないセリフが自然と口を付いてでた。もしかして酔っているのはオレの方なのかもしれない。
「な、なにをいまさらっ」
そう言ってテイトはオレの突然の告白に顔を赤くして目を逸らしたが「オレだって」とぼそりと呟いた。そして消え入りそうな程の小さい声で「オレもフラウ好きだ」と言った。
「はは、ははは」
オレの「好き」にテイトも「好き」と返してきた。互いに好きと言い合うのはこんなにも簡単なことなのか。気の抜けた笑いが止まらない。
「変なヤツ。恥ずかしいこと言わせんな!」
ぶつぶつ言うテイトを再び強く抱きしめると中断していた動きを再開した。
「いきなり盛るなー!」
腰の動きを怠慢なものから獰猛なものへと変化させるとテイトはすぐさま悪態を付いてオレから逃れようともがいた。
「やっぱ、抵抗されるともえるなぁ〜」
「なに、言って、んぐ」
ごちゃごちゃ言う口を口で塞ぐ。指で胸の突起を軽く弾いて肌を滑らせるとテイトの張り詰めたモノへ這わせた。一緒に頂点を迎えたくて指の動きと律動をシンクロさせる。
「フラウ、やめ」
テイトが空気を求めて喘ぎ、オレから逃れようと伸ばした手を握り締める。テイトの存在、全てが愛おしいとおもう。
「テイト、好きだ」
荒い息と一緒に耳元で囁く。
「オ、オレも、フラ、ウ、ス、キ」
テイトも吐く息と同時に声を発し、びくんと一際大きく体を震わせると秘部がキュッと収縮した。
ぐったりとソファに沈むテイトの体をそおっと抱きあげる。
少々大人気なかったかと反省する。テイトはまだまだ子供だ、もっと気遣ってしかるべきなのだ。しかも連日……
とりあえず、チョコレートボンボンは早急に(胃の中へ)片付けるとしよう。
そう思いつつも酒に酔って甘えてくるテイトを反芻する。
「たまにはいいか、な」
懲りない自分に一人苦笑すると腕の中のテイトを見つめた。気持ち良さそうに静かな寝息をたてている。その寝顔に満たされていく自分を実感する。
好きという言葉一つでこんなにも幸福感は得られるものなのだな。
ゴーストになってからというもの人々の幸せをただ祈ってきた。テイトと出会うまでは……
おやすみ、そう呟いて瞼にそっと唇を落とした。
end
※ただのイチャイチャじゃないか、、、(゚口゚;
※これにて企画終了です!!!
ここまでのお付き合い、本当にありがとうございました。
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