天使のプレゼント
カペラはフラウから貰った画用紙にテイトから貰ったクレヨンで何やらお絵描きをしている。
白地に茶色のクレヨンで描いた物体は次第に大きなハートになった。
テーブルの上には同じ様に描かれたハートの絵がもう一枚置いてある。
一枚は濃い茶色。もう一枚は明るめの茶色。微妙に色を分けている。
二枚の絵を並べてニッコリと満面の笑みを浮かべる。
大きく描いたハートにご満悦の様子。
ふと何かを思いついたのか四隅に絵を描き足し始めた。
ハートが大き過ぎてちょっとしかないスペースに黄色と肌色で顔を描いていく。
黒はおそらくテイトの髪の色だろう。
大きな目はカペラ自身?
それぞれに3人の似顔絵を付け足して完成のようだ。
大きなハートに小さい3つの顔。
明らかにスペース配分ミスだがカペラは嬉しそうにクスクスと笑っている。
きっと本物のチョコレートと間違えて食べようとするフラウの顔を想像したのだろう。
描いた絵をクルクルっと丸めると器用にリボンで結んだ。
「カペラー!ミルク入ったぞ?」
別の部屋から聞こえたフラウの声に慌てて絵を後ろに隠す。
「チョコレートもあるぞ」
テイトが扉からひょこっと顔を覗かせた。
「あい!」
カペラは絵を後ろに持ったまま満面の笑みでテイトとフラウの傍へと駆けていった。
end
※拍手の再録です。どうかご勘弁を〜
ミルクチョコレート=カペラです……